保険屋に未来はあるか?

保険業界ってどうなるんでしょうか?そんなことについて自分勝手な考えを淡々と呟くブログです。

事業再編とやら(その5)

時が経つのはあっという間で。

前回アップしてから2か月が過ぎていました。

別に何かがあったわけでもなく、ただボーっとしていただけですけど。

 

そんなわけで、このシリーズ、前回は何を書いたか確認するところから始めました。で、あぁ、NTTのドコモ子会社化の話から強引に「新たな金融仲介業者」に繋げているな、ということを確認したわけです。あれ、ズレてる。

 

このシリーズ、一応纏めをしておきましょう。

 

個人的には、企業グループにおける保険代理店というのは非常に難しい局面を迎えているのではないか、と思っています。企業グループの成長如何とは別に、企業グループ代理店の職域は次の点において浸食される蓋然性が高い。以下、そう思う根拠です。

1つめは、「新たな金融仲介業者」の誕生。

2つめには、オンライン面談という飛び道具とAIという、まだまだ発展途上ですが確実に24時間働ける戦力になりつつある道具を大手生保が本気で手に入れつつある現状。

3つめが企業グループ代理店という「成り立ちから来る限界」が露呈すること。

 

1つめの「新たな金融仲介業者」については噂によれば20社以上が複数業界にわたるオンライン販売に手を挙げているようで、どれだけのビッグネームが出て来るのか興味深々というところ。まだ、パブコメにも付されていませんので詳細分かりませんが、もし、抵抗勢力に配慮して最初は小さく始めたとしても、いずれ全面解禁せざるを得ないでしょう。この程度のことが出来ないならデジタル庁なんて絵に描いた餅。Amazonに全部持っていかれますよ。

2つめの「オンライン面談という飛び道具」というのは、大手生保が久し振りに職域に接点を持てるようになるのではないか、という意味で「飛び道具」と思ったわけです。2005年の個人情報保護法が契機でしょうか、生保の営業職員の方が職場にいる風景が普通でなくなったのは?

人民解放軍のA2/AD戦略ではありませんが、企業グループ代理店は大手生保の営業職員に対して親会社の意向(威光?)を盾に「接近阻止」「領域拒否」を貫いてきたわけです。

事実、職場で生保の営業職員の方を見る機会は随分と減ったのではないでしょうか?どうですか、みなさんの職場は?

でも、ここに「オンライン面談」という非日常を日常に切り替えてしまう「コロナ禍」が起こりました。最初の接点をどう、何で取るか、という問題が残っているかも知れませんが、それさえ乗り越えてしまえば、職場に出入りできる、ということが優位性ではなくなる、そういう時代が見えて来ているのです。次のAIは言う迄もないでしょう。詳しくは書きませんが、AIというものの効用を最大化できる元受保険会社は大手生保なのではないか、と思っています。何故なら「仲介者」が内部化されているからです。これは「仲介者」を外部化しているその他の生損保会社は、それ故に「仲介者」を経由した顧客情報の取得が思うに任せないという状況を招きがちになりますが、その状況に陥る蓋然性が低い、つまり、顧客情報を効率的に取得し、取得した大量のデータをOODAよろしく高速回転させ、どんどん営業職員にフィードバックできる態勢を構築することが容易であるということです。であれば、最短距離でゴールに辿り着くための手段を、ベテランの営業職員が何十年も経て獲得した経験値を相対的に容易に得られることに繋がる筈。これは企業グループ代理店の(研修を義務感で受けているだけの)保険募集人にとって大きな脅威になるのではないでしょうか。そしてこの2つの「道具」を上手く結合させれば日本帝国海軍でも成し得なかった(すみません)、アウトレンジ戦法が可能になるわけです。

 

3つめは人員的な構造の問題と親会社に事業戦略を拘束されるという意味ですね。これを「成り立ちから来る限界」としました。

 

あぁ、久しぶりに日本酒(五橋)を飲んだら眠くなって来てしまいました。今回で終わりにしようと思いましたが、3つめはまた今度にします。では。

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