保険屋に未来はあるか?

保険業界ってどうなるんでしょうか?そんなことについて自分勝手な考えを淡々と呟くブログです。

事業再編とやら(その3)

前回は「事業再編と保険代理店(企業グループ内代理店)の悲喜こもごも」について考える前に眠くなって尻切れ蜻蛉になってしまいました。取り敢えず再開です。

 

言うまでもありませんが、一般的に「企業グループ内代理店のマーケット=企業グループ」です。企業グループの外に向かって事業領域を拡げている代理店さんがないわけではありませんが、私の感覚だと少数派だと思います。よくあるパターンは銀行系の代理店の場合でその銀行融資先・取引先を顧客としているケースでしょうか。あるいは、トータル保険サービスさん、正確にはトータル保険パートナーズさんが展開し始めて?いる「ほけんの窓口」さんのフランチャイジー化でしょうか。いずれにしても、企業グループ内代理店(以下「企業代理店」)にとってマーケットは所与のものであり、自社開拓の余地は限られ、かつ、外に向かっていくインセンティブも限定的だと思われます。

 

企業グループ。従来であればこれほどぬるま湯的な、企業代理店にとって理想的なマーケットはなかったのではないでしょうか。だからこそ、(失礼ながら)保険の保の字も知らず、スキルもない親会社からの天下りやお世辞にもレベルが高いとは言えない社員を抱えていても何とかやって来れている、そういう見方がそれほど実態とかけ離れているわけではないだろう、と外から見ている人間には思えてなりません。

最近では保険会社からの出向者や転籍者もそれなりにいますが、そもそも保険会社の人間って保険を売るのが苦手な人多いですしね(笑)

 

それに加え、将来を見越した明確な事業戦略を描き切れている企業代理店がどれほどあるのでしょうか?

口を開けば「企業グループのために」。そりゃそう言わざるを得ないのかも知れませんが、その実現のため、どれほどの情報を集め、社内で議論し、方向性を見出そうとしているのか?万一、頼りにしている企業グループに売られちゃったらどうするの?或いは、事業再編でその企業グループが小さくなっちゃったらどうするの?こういったありそうもないけど可能性がゼロではない「最悪のシナリオ」を描くことはできているのでしょうか?

 

見えないんですよねえ。

 

企業代理店のマーケット=企業グループ、という多くの有りがちな構造がより不確実性を齎すことに気付いていないわけはない筈。であればこそ、自社のポジショニングを明確にしつつ、内部資源の強化・有効活用がもう待ったなしの状態なわけですね。選択と集中という手もあります。事業領域の拡大(全くの異業種や本業と親和性の高い事業など)もあります。問題は多くの企業代理店さんで検討されている形跡すら見当たらない(正確には「聞こえて来ない」)ことです。まぁ、聞こえて来ていないだけなら良いんですけど。。。

 

これと対照的なのが所謂ショップ経営を軸にした「乗合代理店」さんだと感じています。そもそも「乗合」と言えば企業代理店の別称のようなものだったのは昔々の話なのでしょう。今じゃ金融庁が言う乗合代理店って一義的にはショップ経営系の代理店さんですもんね。こちらは上場している会社さんもあったりするので、保険代理店事業だけでない領域への進出や成長を企図した事業戦略を策定されていたりもします。

つまり、既に格差が生じつつあるのです。

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