保険屋に未来はあるか?

保険業界ってどうなるんでしょうか?そんなことについて自分勝手な考えを淡々と呟くブログです。

何してるんだろ

企業グループ内代理店のマーケットに対する考え方は保守的だ。自社が属する企業グループが伸長すればマーケットは増え、縮小すれば減る。自らマーケットを拡大する、といった考え方には(多くの企業代理店は)立たない。一つには、それでも代理店経営がなんとか成り立って来たからであろうし、一義的に奉仕すべきはグループの中核である親会社であって人的、またはサービス資源は、そこに投下すべきだからではないだろうか。

しかし、こういった考え方を今後も続けられるだろうか。企業代理店の顧客構造によるが、現役社員が多数を占め退職者が少数である場合、現役社員の加入率を上げることができる。これはまだ、先が見通せるパターンだ。では、退職者が多数を占める場合はどうだろう。一般的に退職者からの新契約はいずれ先細りになる。しかも高齢者からは新たな契約というより、保険料単価が安い特約の付加が多いのではないだろうか。つまり、このパターンは、それほど先が見えるものではない。多くの企業代理店にとって飯の種だった自動車保険もそれほど魅力のある商品では無くなってきている。メンテナンスコストがかかり過ぎるのだ。しかも、これからは保険料の低額化や代理店の役割減少に伴う手数料率低下も想定される。単種目の収益計算上容易に赤字になる筈だ。

しかし、企業代理店の経営者にとってこのような状況はそれほど危機的なものではない。非常に嫌味な言い方ではあるが、今現在の経営者が自社のX-Dayを見ることはないからだ。何故なら、

X-Dayは緩慢にやって来る。

からだ。

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