保険屋に未来はあるか?

保険業界ってどうなるんでしょうか?そんなことについて自分勝手な考えを淡々と呟くブログです。

限界?

機関代理店とも言われる企業代理店の主力は損害保険である。その歴史は長いが一部の企業代理店を除き、態度だけは偉そうながら(親会社からの転籍組も多かったから)、業務的には保険会社の出先機関のような、言い換えれば保険会社に丸投げに近いことをやりつつ収入を得ていた企業代理店も多かったはずだ。統計をとった訳ではないが、業界内で流れてくる話を総合すればレベルの差こそあれ概ねそんな感じである。

一方、少ないながらも保険会社と対等、もしくはそれ以上のレベルを持って自立(自律)して(特に企業保険分野)親会社及びそのグループ企業のための保険手配を企画し、グループ内リスクマネジメントの一端を担ってきた企業代理店もある。

このような企業代理店にとっての当面、かつ中長期にわたる課題は事業の継続性をどう担保するか、なのではないか。一般的に企業代理店の業績は親会社のグループ政策に依存する。しかもそれはほぼ国内の話だ。自らが所属する企業グループが成長を遂げれば企業代理店も大きくなり得るし、逆もまた然りである。厄介なのはグループが筋肉質化する場合で、グループ全体の事業は成長するものの、そこに設備投資や人員増加が伴わなければ企業代理店自体の成長には繋がりづらい。その一方、固定化した人員が過剰となり利益率の急激な悪化をもたらす可能性も捨て切れない。そもそも企業代理店の人員構成自体、社会を反映した逆ピラミッドになっているかも知れず、だとすれば高齢化した職員がデジタルネイティブ同様に振る舞えるわけもない。経験も通じずスキルさえ陳腐化するのだ。これは経営者にとって負債でしかない。

このような場合において企業代理店経営者はどのような戦略を採りうるのだろうか。ちなみにリテール分野の収益性は今後も低下が続くだろう。改正業法や顧客本位を真面目にやればコンプライアンスリスク管理コストがアップする。そして、そのほとんどがリテール分野に起因するものだ。いまのところ企業グループの企業保険分野と個人保険分野双方を手掛けている企業代理店が多いが、いつまでこれを両輪とし続けられるのか?その限界は意外に遠くないような気がしている。

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